いいスピーカーがあるなら、テレビだけで使うのはもったいない。

 いまやオーディオシステムの中核はiPod/iPhone、という人は少なくないはず。もちろんアナログOUTを繋げばどんなスピーカーだってつながるわけだが、それではかなりもったいない。Dockコネクターから直接デジタルでつながる機器が望ましい。

 といっても、YSP-2200はすっきりしたデザインが特徴。天面にiPodを差すための穴など空いていない。そこで使うのが、用意されている専用アクセサリー群だ。背面にある専用端子にアクセサリーをつなげると、YSP-2200はDockコネクター対応機器に早変わりする。シンプルなユニーバーサルDock「YDS-12」も用意されているが、今回はより面白い仕様になっている「YID-W10」の方を試してみた。

ということで、YSP-2200にYID-W10を接続し、iPhoneをセットしてみた

 つないだ写真を見ると、「なんかごついDock」に見えるかも知れない。でもこれ、ちょっと違うのだ。iPhone/iPodなどとワイヤレスで接続するためのアクセサリーなのである。

 YID-W10は、充電台兼受信機の役割を果たす部分と、無線アダプターの2パーツで構成されている。無線アダプターにはDockコネクターが付けられているので、さし込んでやればiPod/iPhoneと一体化する。この時、設定などは一切ない。単に「さすだけ」だ。

 離れたところから無線アダプターをつけたiPod/iPhoneを使えば、音声はそのままYSP-2200に送られて、音はそちらから聞こえてくることになる。手元にiPod/iPhoneを持って、曲を選んで再生操作をすれば、音だけがYSP-2200に飛んでいくような感覚、というとわかりやすいだろうか。

 無線だと音が悪くなるような印象があるかもしれないが、そんなことはない。伝送は非圧縮PCMなので、理論的には音に変化はない。実際に聞いてみても、有線接続時と無線接続時で音の変化はまったく感じられない。

 もう一つ大切なのは、無線通信を使っているが「遅延」がほとんどない、ということだ。音楽なら遅延はあまり気にならないが、動画だったらどうだろう? iPhoneで動画を再生している際にも、この仕組みを使うと音声はYSP-2200から再生される。無線伝送で遅延が発生すると、映像と音声がずれてしまってとても気持ち悪いことになる。だがYID-W10の無線通信では遅延がほとんど感じられないので、そのような「気持ち悪さ」も発生しない。とても自然な感じである。

iPod/iPhoneでの音量調節が、YSP-2200と連動する

 もうひとつ、あまりに自然なのですぐには気がつかないことに、YSP-2200の音量調整もiPod/iPhone側で行える、という点だ。「当たり前じゃないの?」と思われそうだが、冷静に考えると違う。だって、iPod/iPhoneの音量調整は、あくまでiPod/iPhoneのためのもの。Dockコネクターの機能をきちんと使っているため、音量調整が連動する。だからYSP-2200のリモコンを別に使うことなく、音楽の音量をiPod/iPhone側でコントロールできるのだ。

 無線を介してこのようなことができるのは、ヤマハが作った無線技術「AirWired」を利用しているからだ。Bluetoothなどを使うと似たことはできるが、音質劣化がある上に設定も若干面倒。アダプターが出っ張ってしまうのはご愛敬だが、簡単さ・音質の良さ・自然さには特筆すべきものがある。

 最後にもう一つ、芸が細かいな、と思った点をご紹介しておこう。

 YID-W10のアダプター部は、iPod/iPhoneを繋いだまま充電台に載せれば、もちろん載せられたiPod/iPhoneの充電もできる。ひげそりでおなじみの無接点電源が組みこまれているためだ。普段は充電のための「台」として使い、ワイヤレスで音楽を楽しむ時にはアダプターごと引き抜いて持ち出す、という使い方が良さそうだ。

(西田宗千佳)

 前回の映画に続いて、今回はゲームを3DテレビとYSP-2200で楽しんでみることに。プレイしたゲームは『グランツーリスモ5』(『GT5』)だ。実は、あまり知られていないようだが、『GT5』は3Dテレビに完全対応している。なので、PS3と3Dテレビを接続すれば、特別なアドオンソフトなどを組み込まずとも、"素の状態"で立体視でバーチャルな3Dレーシング体験が楽しめる。

 ちなみに、東京ゲームショウで、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)は、「世界に3800万台普及したプレイステーション3は、世界で最も普及した3Dプラットフォームである」と宣言するとともに「ゲームこそ、3Dテレビのメインコンテンツである」と強調し、2011年3月までに20本の立体視対応ゲームをリリースすることをアナウンスしていた。『GT5』は、中でも最も期待される立体視対応ゲームの1つだ。

3Dゲームで最も期待されるタイトル『グランツーリスモ5』を、YSP-2200で楽しんでみた!

 『GT5』は立体視に対応しているとはいえ、初期状態では、この機能がオフになっているので、「オプション」メニューにて、有効化してやる必要がある。「オプション」メニュー内の「デバイス」設定の右の方に「3DTVモードの設定」というのがあるので、これを選ぶ。このあたりはゲーム付属のマニュアル冊子には一切書かれていないので、見つけにくいかも知れない。

 『GT5』は、7.1chサラウンドサウンド出力に対応しており、これはHDMI接続でしか出力できない。光デジタル接続では5.1chサラウンドサウンド出力までしかできないのだ。前回、映画編のエントリーでも触れたが、PS3とYSP-2200は是非ともHDMI接続で利用したい。

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「3DTVモードの設定」。ここの「3DTVモード」をオンにすれば、ひとまずはOK 東芝の3Dテレビ、レグザ「47ZG1」を使用。リモコンの[3D]ボタンで3D表示に切り替えよう!

 一通りの、設定を終えて、いざ、出走。

 アクセルペダルの上げ下げに連動して、野太いエギゾーストノート(排気音)の音圧が変わるのに感動。スポーツカーのエンジン音は甲高いが、一方で排気音は低音域になる。聞く人によってはノイズの塊でしかないクルマのサウンドも、好きな人にとっては非常に味わい深い音に感じられる。こうした複雑なサウンドの高品位な再生には低音から高音までの豊かなダイナミックレンジ表現能力がなければならない。

 しかし、YSP-2200はサブウーファーも付属するため、排気音の重低音もパワフルに鳴らしてくれる。車内に回り込んでドロロロ...と聞こえる、フロントパイプやスポーツ触媒、そしてストレート構造のマフラーが醸し出す重低音までをリアルに聞きたいならば、サブウーファーのレベル調整をやや過度気味に上げるのもいいかもしれない。

 前回の映画編エントリーでも触れたが、YSP-2200には「シネマDSP」と呼ばれるサラウンドサウンドの音場を拡張する音場プログラムが搭載されていて、ゲーム向けには、ずばり「Game」という音場プログラムが「エンタテイメント」モードの中に用意されている。

 「Game」の音場プログラムは、定位感もさることながら、サラウンド感を強く演出しており、『GT5』との相性がいい。後続の車が接近してくる走行音やエンジン音が肩の左右方向から聞こえてきて、本当に横に並ばれたようなデッドヒート感を音像でも楽しめるのだ。

 映画は、3D(立体視)になっても音像が固定だし、その定位も決め打ちだ。しかし、ゲームは違う。プレイヤーの操作やゲームの展開によって音像や定位がリアルタイムに変化していく。画面に見えている映像とペアになった音像は、臨場感の引き立て役としてとても重要だが、『GT5』のようなレーシングゲームでは、"画面には映っていないモノが出す音像"の存在も重要になる。画面には見えていない迫り来る敵車の存在、あるいはその位置や方向を音像で知ることができるからだ。

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YSP-2200は、ゲーム画面に見えていないものまで"音で見せる"!

 3Dテレビがゲーム画面を立体に見せる装置ならば、YSP-2200は、ゲーム画面に見えていないものを"音で見せる"装置として利用できる。

 PS3、『GT5』のユーザーは、YSP-2200、3Dテレビ、ステアリング・コントローラーの全てを手に入れて初めて『GT5』をフルスペックでプレイしたことになるのだ!

(トライゼット西川善司)

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 良いスピーカーを用意したら、やっぱり音楽を楽しみたいと思うもの。

 だがこれまで、一部には「YSPは音楽に向かない」という定説めいたものが存在した。その理由は、「低音が弱い」「フロントサラウンド系はピュアな音が出にくい」というものだ。確かに、そういった部分があるのは否めない。しかし、YSP-2200で音楽が楽しめない、と言うのは明確に間違いだし、そう考えるのももったいない話。なぜなら、音楽向けにもより向いた改善が行われているからだ。

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標準添付のサブウーファーは、縦横自在に設置できる

 もっとも大きな改善点は、従来別売りだったサブウーファーが標準添付となり、2ピース構成になったことだ。従来、YSPに寄せられていた「低音の弱さ」は、サブウーファーを利用していない場合のものが多い。既存モデルでもサブウーファーを併用することが推奨されてきたが、今回は標準添付となり、わざわざ買い足す必要がなくなった。

 サブウーファー併用による低音強化の効果ははっきりとわかる。映画などでももちろん効果的だが、音楽でも気持ちよく低音が通ってくる。低音が効いた音楽が重要な作品といえば「AKIRA」。芸能山城組の印象的な劇伴が魅力の作品だが、音が悪い環境では寂しくなってしまう。サブウーファー+YSPのサラウンド感は良好で、いかにも山城組らしい、AKIRAらしい喧騒感が楽しめる。

 今度は、ミュージカルの大傑作である「サウンド・オブ・ミュージック」のブルーレイ版をチェックしてみる。こちらはつい先日、12月3日に発売されたばかりで、リマスターされたDTS-HD マスターオーディオ7.1chによるロスレス収録の音声トラックが魅力的な作品である。まさにミュージカル!といったタイトルであり、音声トラックのクオリティはさすがの一言だ。YSP-2200はDTS-HD マスターオーディオ7.1chにも対応しているので、適切にセッティングさえしていれば、その魅力を存分に楽しめる。「サウンド・オブ・ミュージック」の魅力は、誰もが聞いたことがある名曲の数々が、実はこれほどにも表現豊かなものであり、それがどれも高らかに歌い上げられていること。テレビ内蔵のスピーカーでは、その繊細な歌声の魅力のすべてを体験できない。だがYSP-2200なら、その味わいを楽しめる。

 ライブ系のタイトルも聞いてみよう。

 まずは、マライヤ・キャリーの「Mariah Carey: Adventures of Mimi」(輸入盤)。ブルーレイ初期のライブアルバムで、リニアPCM・5.1chの収録だが、マライヤ・キャリーのパフォーマンスが魅力的で、いまだ価値の高いディスクの一つである。サラウンド感だけでなく、彼女のボーカルの音域や微細な表現がしっかりと伝わってきて楽しい。特に、YSP-2200の「シネマDSP」を使い、「Music Video」設定で楽しむと、コンサートホールのイメージが伝わってきて、より魅力的だ。

 次に、2010年ブルーレイディスクのトップヒットの一つである「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」。この作品は、ご存じの通り「最終的にはライブにする」ことを目的に作られていたパフォーマンスを、ドキュメンタリーの形にまとめ上げたもの。そのため、ドキュメンタリー的なリハーサルのシーンと、ある程度作り込まれたビデオクリップとしてのシーンが入り交じる構成になっている。映像特典も見逃せない、非常に完成度の高いディスクだが、やはりテレビのスピーカーではもったいないクオリティである。YSP-2200ならば、シンプルな配置を維持しつつ、このディスクに込められたマイケルのパフォーマンスを存分に楽しめる。何度も見たディスクなのだが、今回もやはり見入ってしまった。

 YSP-2200の良いところは、テレビをカジュアルに楽しむ体勢のまま、音楽もきちんと楽しめる万能性にある。YSP-2200は価格帯的にもカジュアル嗜好なので、ピュアオーディオ系のセットを揃えた場合ほど微細な表現ができているわけではない。だがそれでも、このコンパクトなセットでこれだけしっかりした音が出ている、というのは、大きな美点といえる。

 音質をコントロールするシネマDSPには、「Music Video」「Concert Hall」「Jazz Club」の3つの設定があるが、当然それぞれ味わいは異なる。また、ミュージカルや映画の劇伴を楽しむ場合には、あえて映画モードの「Adventure」「Spectacle」などにあわせてみる、というのも面白い。特にライブビデオの場合には、サラウンド設定を音の広がりを重視した「5Beam」「5Beam+2」ではなく「St+3Beam」「St+3Beam2」に変更した方が心地よい印象である。

 そういった設定を簡単に変えられることも、YSP-2200の良いところといえそうだ。

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ライブビデオの場合には、「St+3Beam」「St+3Beam2」にサラウンド設定を変更するのがオススメ

(西田宗千佳)

 今回、YSP-2200と組み合わせる3Dテレビとして取り寄せたのは、東芝の3Dテレビ、レグザZG1シリーズの47インチモデル「47ZG1」だ。47ZG1は3Dテレビであるということだけでなく、最新世代のテレビ製品なので、ARC(オーティオ・リターン・チャンネル)に対応したHDMI入力端子を1つ装備している。なので、47ZG1のHDMI入力端子と、YSP-2200のHDMI出力端子(ARC対応)とをHDMIケーブルで接続するのが理想となる。

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推奨される3DテレビとYSP-2200との接続形態

 ところで、筆者はPS3を3Dブルーレイプレイヤーとして利用しているが、PS3はYSP-2200のHDMI入力端子とHDMIケーブルで接続すればいい。そう、PS3側の光デジタル音声出力端子には何も接続しなくていいのだ。PS3側から出力された3Dブルーレイの映像と7.1chサラウンドサウンドの音声はHDMIケーブルでYSP-2200に伝送され、音声はYSP-2200で再生、映像(3D映像を含む)は、YSP-2200とHDMI接続された47ZG1へと伝送される。

 なお、PS3を47ZG1にHDMI接続し、47ZG1とYSP-2200をHDMI接続してもYSP-2200で音声を再生できるが、この接続形態は避けるべきだ。というのも、47ZG1は7.1chサラウンドサウンドの入力を受け付けないため、47ZG1を通してYSP-2200に音声を伝送すると7.1chサラウンドサウンドが伝送されないことがあるのだ(PS3側の設定を手動設定すれば問題は回避できるが、自動設定でPS3のサウンド設定を行った場合、この問題が起こることがある)。

 まぁ、難しく考える必要はなく、要は「YSP-2200でサラウンド再生したい機器はテレビ経由ではなく、YSP-2200に"直"接続すべき」ということだ。なお、これは最新3Dテレビに限らず、従来の2Dテレビにおいても同様のことがいえる。

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PS3の音声出力の設定。このようにYSP-2200への7.1ch関連の出力が可能であることをPS3側が認識しているかどうか確認しよう。
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PS3の映像出力の設定。このようにPS3が3Dテレビを認識しているかどうか確認しよう。

 YSP-2200と3Dテレビとの接続スタイルが良くわかったところで、今度は、YSP-2200で3Dブルーレイの映画ソフトを見たときに、どんなサウンドを鳴らしてくれるのか聞いてみた。

 今回、視聴した3Dブルーレイソフトは「ポーラー・エクスプレス」3D版、そして「IMAX:Deep Sea」3D版の2本だ。

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ポーラー・エクスプレス IMAX:Deep Sea

 さて、実際に、この2本の3Dソフトを再生してみたときの手応えだが、2Dで見ているよりも映像と音像の"一体感"が楽しめて面白い。

 立体感ではなく一体感だ。

 DVD時代、あるいは2Dブルーレイ時代でも、サラウンドサウンドによって、自分の周りを音が取り込んでいる聴感を味わえ、映像体験の臨場感向上に大きく貢献した。しかし、映像は正面の矩形内の2D画面に描き出されたものであったために、音だけが飛びだしてきているような感じも否めなかった。

 3Dブルーレイでは、音だけでなく、映像にも立体感が付いたことで、音と映像の"一体感"が感じられるようになったのだ。

 例えば「ポーラー・エクスプレス」では、冒頭の北極行きの夢の超特急機関車が主人公の少年の家の前にやってきたときのシーン。

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「ポーラー・エクスプレス」は立体映像とサラウンドサウンドによる音像との一体感が楽しめる!

 機関車が、ものすごい量の蒸気を噴き出して停車するのだが、この蒸気の「シュー」という効果音が、部屋全体を覆い尽くすように鳴り響く。その蒸気の吹き荒ぶ様は3D映像で立体的に描き出されるのだが、この動きが見事にYSP-2200から出力されるサラウンドサウンドの音像と連動していて素晴らしいのだ。もちろん蒸気は自分の視聴位置の真横にまでまで吹き出てきているわけもないのだが、目に見えている範囲の(表示されている)立体像と音像に立体感があるので、錯覚として蒸気が真横にまで来ているような感覚が得られる。

 「IMAX:Deep Sea」の方は、サラウンドサウンドを構成する各チャンネルのしっかりした定位感が楽しめるソフトになっていた。

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「IMAX:Deep Sea」はYSP-2200によるサラウンドの定位感を再確認するのに最適なソフト!

 このソフトは、映像こそ全て実写の3D映像なのだが、実は効果音については、あとから少々、作為的にミキシングされた雰囲気が漂っている。具体的には、波の音や風の音、海鳥の鳴き声のような環境音はアンビエント感の強い感じでワイドにミックスされているが、一方で各魚介類が出す遊泳音や捕食音などは、音を出した各生物の位置から正確に鳴るのだ。そして、ジョニー・デップなどのナレーション陣の解説音声は、まるで画面の後ろ側からささやきかけてくれているような、きっちりとした画面中央への定位感がある。まさに、サラウンドサウンドのデモディスクのようなミックスだ。

 YSP-2200のセットアップが正しく行われ、サウンドビームによって作り出されるバーチャルスピーカー達が的確な位置で想定通りの仕事ができているかを堪能するにはちょうどいいソフトだと思う。

 ところで、YSP-2200には「シネマDSP」と呼ばれるサラウンドサウンドの音場を拡張する音場プログラムが搭載されている。映画向けには「SFX」「Spectacle」「Adventure」といった3つの音場プログラムが用意されており、好みに応じて利用できる。

 筆者的には、今回視聴したようなダイナミックかつ立体的なサウンドトラックが収録されている3Dソフトには、アンビエント感を強調し、広がりを増強する「Spectacle」や「Adventure」が向いていると感じた。特に「ポーラーエクスプレス」などはそうだ。「IMAX DEEP SEA 3D」もその2つの音場プログラムを利用することで不満はないが、このようなディスクリート感の強いソフトは、その明確な定位感を楽しむために、あえてシネマDSPの機能をカットして、ピュアな5.1ch/7.1chサウンドを楽しむのもアリだと思う。

 YSP-2200のセットアップ終了後は、音量の上げ下げでなく、リモコン上部にあるシネマDSPの音場プログラムの切り替えや、あるいは音場プログラムのオン/オフを色々試して、好みの聴感を探ってみるといいかもしれない。

(トライゼット西川善司)

テレビ放送を楽しんでみよう!

2010年12月13日UP DATE!!

 毎日接する「音」といえば、やっぱりテレビ放送の音。特にスポーツ番組や音楽番組は、テレビ内蔵のスピーカーでは「もったいない」と感じるシーンが少なくない。

 というわけで、筆者がYSP-2200をセッティングし、まず最初に楽しんでみたのは、ブルーレイ・レコーダーに録画しておいたいくつかのテレビ番組である。

 まずはサラウンド感が大切な「スポーツ番組」をみてみよう。

 こういう時にいつも使うのが「フィギュアスケート」。スポーツといえば「迫力」という話になりがちだが、フィギュアではそれだけでなく、演技につきものの「音楽」も大切になるからである。今回は、放送されたばかりの「グランプリシリーズ2010 フランス大会」で迫力と音楽のコラボを楽しんでみた。

 結論からいえば、これがなかなかいい。歓声と音楽が体を包む感覚が味わえて、テレビ内蔵スピーカーではわからない「臨場感」が生まれてくる。YSP-2200は低音部の再現に大切なサブウーファーが標準装備になったことで、臨場感を支える基盤の部分がしっかりと感じられるようになった。選手が移動し、氷の表面をつかむ際の「シャッ」という音の微妙な感触も楽しい。

コンテンツ間の音量差を自動調整してくれる「ユニボリューム」

 体を包むような音を楽しんでいる時に陥りがちなのが、CMやスタジオ中継に音声が切り替わった際、音量が変わることで「醒める」こと。不意に音が大きくなりすぎて不快に感じやすい。そこで便利だと感じたのは、YSP-2200の「ユニボリューム」という機能だ。音量の急な変化に応じて音量を自動調節してくれるので、オンにしておけば「醒める」こともない。専用リモコンにボタンが用意されているので、切り換えもワンタッチで簡単だ。

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「ユニボリューム」は、番組からCMに切り替わったときのほかに、別のチャンネルに切り替えたときの音量差も自動調整する

 次に楽しんだのは「音楽番組」。でも、ただの番組では面白くない。YSP-2200はHDMI1.4に対応しており、テレビの側が3Dに対応していれば、音声と映像の両方を3Dで楽しめる。せっかくなので3D対応番組でもある、BS朝日で放送中の「Panasonic 3D Music Studio」を選んだ。この番組は、3Dならではの音楽番組を目指し、映像の面でも音楽の面でも立体感を重視した演出が行われるというのがポイント。この種のテストにはうってつけである。

 視聴に使ったのは、初回ゲストであった「SPEED」、11月最終週分の「みなみこうせつ」、そして12月第一週の「DA PAMP」の回だ。見事にどれも傾向が違う、なかなか興味深い組み合わせになった。

 僕たちの「感覚」は、目から入る情報と耳から入る情報の両方に支配されている。だからサラウンド感というのは大切なわけだが、映像の方も立体になると、これがまた面白い。サラウンド感が出にくいテレビ内蔵のスピーカーで見ても「音の立体感」を感じてしまうことがあるような番組なのだが、YSP-2200のような「しっかりとした定位感」が実現できるフロントサラウンド・スピーカーとの組み合わせはさらに良好だ。音楽というと「ライブ感」で語られがちだけれど、それとはちょっと違う。目の前で自分のためだけにパフォーマンスをしてもらっているような奇妙な感覚が楽しめる。今後の音楽番組は、こんな感覚のものが増えてくるのかと思うと楽しみになってくる。そんな未来に備えるにも、選ぶなら3Dにも対応した最新のHDMI規格をサポートする製品を選んでおく価値は大きい。YSP-2200は、その条件をしっかり満たしている。

シネマDSPは、映画・音楽・スポーツ・ゲームなど合計11プログラムが用意されている
リモコン上部のボタンから直接シネマDSPのモードを切り替えられる

 スポーツと音楽、両者で大切なのが「音質設定」。YSP-2200の音場創成技術「シネマDSP」を適切に設定すれば、より理想的な環境で楽しめる。そこで便利なのが「おまかせサラウンド」機能だ。対応するテレビは、東芝および日立コンシューマエレクトロニクスのここ1~2年の間に発売された機種で、現在店頭に並んでいる上記のメーカーの新商品のテレビには、ほぼ対応している。「おまかせサラウンド」機能は、EPGに含まれるジャンル情報を元に、設定が自動的に切り替わる機能。もちろん未対応の製品でも、YSP-2200付属のリモコンを使えば簡単に切り換えができるので心配は無用だ。

 サラウンド感、3D感を楽しむ「週末の特別な時間」にもYSP-2200は活躍するが、普段のニュースやドラマに使っても悪くないものだ。デザイン的にも音質的にも、日常的に使うことを「邪魔しない」感覚がうれしい。高音質と普段使いに向いたカジュアルさ、両方をカバーするのがYSP-2200の良さといえそうだ。

 さて、私の次回のエントリーでは、音楽についてより「突っ込んで」楽しんでみたいと思う。お楽しみに。

(西田宗千佳)

YSP史上はじめてスピーカーユニット+サブウーファーの2ユニット構成になった「YSP-2200」
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YSP-2200、ただの後付けテレビ向けスピーカーではなく、7.1chサラウンドサウンドの再生に対応する!

 最近の薄型テレビは、液晶パネルの改良とLEDバックライト技術の進化によって、その画質はかなり極まったものになってきている。だが、テレビが薄くなればなるほど音質の方が頼りなくなってきており、薄型テレビの購入の際には、スピーカー内蔵のテレビラックを同時に購入するユーザーが多くなってきているという。

 しかし、筆者のように、既にお気に入りのAVラックを部屋に設置しているユーザーは、テレビの購入時に一緒に新たなテレビラックを購入する気にはなれないはず。

 そこで、そうしたユーザーのためにヤマハが用意した1つの模範解答が、デジタル・サウンド・プロジェクターのYSPシリーズの導入だ。

 YSPシリーズに新たに加わったYSP-2200は、薄型テレビの前面に設置するタイプのテレビ向けスピーカー製品。

 しかし、このYSP-2200、ただの後付けテレビ向けスピーカーではなく、7.1chサラウンドサウンドの再生に対応した製品。なんと、前面に設置するだけなのに、視聴者を音像で取り囲むように再生することができる優れものなのだ。さらにYSP-2200には、専用のサブウーファーユニットが付属する。メインユニットとのバランスを考えて設計されたものなので、汎用品を組み合わせるよりも手軽だし、なにしろ安心感がある。

 さてさて、実際に製品が到着したので設置を試みる。メインユニットはテレビの前面下部に設置することになる。現在、筆者宅の私用で使っているテレビは46インチの東芝レグザ46ZX9000。これのスタンドは楕円形で幅広い。ここにYSP-2200のメインユニットを置けるのか...と心配したのだが、問題なく46ZX9000のスタンド部をまたぐようにして設置できた。

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筆者愛用のテレビ46ZX9000のスタンド部 YSP-2200の裏面。円形の左右の脚部の距離は約71cm ちなみに脚部はネジ式に高低が調整が可能

 サブウーファーユニットは、幅435mm×奥行き350mm×高さ137mmと結構存在感のある大きさ。サブウーファーユニットの置き方は縦置き、横置き、いずれにも対応している。重低音は定位感が低い特性があるので左右どちらに置いても良いが、あまりテレビから離して置かないことが奨励されている。

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設置する際に底面になる部分には滑り止め機構付きの脚部を取り付けられる。脚部の取り付け箇所においても横置き、縦置き、両対応となっている

 YSP-2200に搭載されている接続端子としては、HDMI入力が3系統、これに加えてARC対応HDMI端子が別途1系統用意されている。光デジタル入力端子は2系統あり、1系統がテレビとの接続を想定したもので、もう一系統は汎用目的に利用できる。また、同軸デジタル音声入力端子も1系統配備されている。最近のAV機器やゲーム機はHDMI端子があるので、光デジタルや同軸デジタルにお世話になる頻度はそれほど多くはないかも知れないが、やや古めのゲーム機やAV機器との接続には重宝するはず。

 アナログ音声入力端子は赤白ピンプラグ端子のステレオ入力が1系統実装されている。YSP-2200は、ステレオ音声(マトリックスエンコードされた2ch音声を含む)を5.1chや7.1chに拡張してサラウンド再生する技術であるプロロジックII/プロロジックIIx/DTS Neo:6にも対応している。この機能はこのアナログ入力にも効かせることもできるので、対応ソースがあれば是非活用したい。この機能が有効利用できる最も有名な機器としては任天堂のWiiやゲームキューブがある。Wiiやゲームキューブはデジタル音声出力手段を持っていないが、「ゼルダの伝説」シリーズなどの大作タイトルでは、そのサウンドをプロロジックII対応でアナログのステレオ音声出力することができるようになっている。Wiiやゲームキューブのユーザーであれば是非とも活用しよう。

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メインユニット背面の接続端子パネル 筆者のテレビ、東芝レグザ46ZX9000はARC未対応だったため、テレビ側のデジタル音声出力端子と、YSP-2200の光デジタル音声入力端子とを付属の光ケーブルで接続した。 YSP-2200操作用の付属リモコン。音量操作、入力切換、音場プログラムの変更等はこれを用いて行う。
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メインユニット背面にはサブウーファーユニットとの接続に使う赤黒端子のスピーカーケーブル端子がある サブウーファーユニットの背面。メインユニット側の赤黒端子はここと接続することになる。 スピーカーケーブルはただの電線なので、皮むきをしてよじってから端子に突っ込んでやる必要がある

 YSP-2200のメインユニットをテレビの前面下側に設置した際に、テレビ側のリモコン受光部をメインユニットが覆い隠してしまい、テレビのリモコンが効きにくくなってしまうことが想定される。筆者宅の46ZX9000でも、若干その傾向があったのだが、これに対してYSP-2200は救済手段を設けている。

 それは、赤外線リモコンのリピーター機能だ。

 メインユニットを設置した際、テレビ側のリモコン受光部と相対する位置に、YSP-2200商品セットに付属するIRフラッシャー・ケーブルを取り付け、ケーブルをメインユニット側のIRフラッシャー専用端子に接続してやるだけでOK。これでテレビ側のリモコン操作による赤外線信号をYSP-2200側がリアルタイムにコピーして、メインユニット背面部にて設置したIRフラッシャーへ伝達してくれる。特に設定は不要で、YSP-2200の設置でテレビのリモコンが利きづらくなったという人は、是非この機能を活用してみよう。

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これがIRフラッシャー。YSP-2200で受けたテレビリモコンの赤外線信号をここで複製して再発行してくれるもの。赤外線なのでもちろん目には見えない。 IRフラッシャーはテレビ側のリモコン受光部の近くに取り付けよう。必然的に、YSP-2200の背面側のどこかに取り付けることになる。ちなみにIRフラッシャー側には、あらかじめ両面テープが取り付けられている。

 設置と接続はこれで完了だが、YSP-2200は音波を壁に反射させてユーザーの耳に届けると言う特性上、部屋のレイアウトごとに音波の出力を調整しなければならない。理想通りの聴感を実現するために、YSP-2200には初期設定用の自動キャリブレーションの機能が備わっている。

 準備は簡単。YSP-2200の商品セットにはIntelliBeamマイクという装置が付属しており、これをYSP-2200のメインユニットへと接続し、マイク本体部分を普段ユーザーが視聴する位置に設置する。マイク下部にはねじ穴が付いているので汎用の三脚を利用して視聴位置に高さを合わせて設置することもできるが、YSP-2200の商品セットにはボール紙で組み立てる簡易的なスタンドも同梱しているので、そちらを利用するのもあり。筆者宅の設置では、このボール紙のスタンドを利用した。

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ボール紙性のスタンドに備え付けたIntelliBeamマイク IntelliBeamマイクはメインユニット前面部の専用端子に接続すればOK

 初期調整を行うための「自動設定」メニューを呼び出して、リモコンの[決定]を押せばあとは自動的に測定と調整が行われる。測定と調整に掛かる時間は約3分。この初期調整は基本的には導入時の一回だけ行えばよいが、テレビの位置を変えたり、大規模な部屋の模様替えを行った場合などには再度行った方がよい。

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マイクを備え付けたスタンドをソファの上に設置。測定中は部屋から出ることを指示される。測定中はノイズ音やインパルス音が鳴り響き、それなりにうるさくなるので注意が必要。
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筆者宅での設置完了風景。画面は付属のデモディスクより。

 YSP-2200の商品セットには、5.1chのサラウンドサウンドのデモが体験できるDVDビデオが同梱している。

 実際に、様々なコンテンツを楽しんでのインプレッションは次回以降に譲るとして、今回は、このディスクを再生して、ちゃんと初期調整が適正に行われているかをチェックすることにしてみた。

 まず、聞いて驚くのが、サウンドのワイド感。テレビ前面下部に設置しているはずなのに、テレビの画面中央の高さの左右に幅広い音像が出現するのだ。テレビの内蔵スピーカーの音というと、普段、"テレビから鳴っている"という自覚をもってして聞いていると思うが、YSP-2200ではこれを逸脱し、YSP-2200の本体どころか、テレビ側の左右の空間全部から音が出ているような感じで聞こえる。そして音が力強い点に感動を覚える。

 筆者宅のリビングはカウンター越しのキッチンと繋がっているのだが、音量をそこそこに上げれば、キッチンで調理していても音が明瞭に聞こえるのだ。テレビの音量を上げて、大きな音で聞くのとは違って、なんというか"大きく広い音像が部屋に充満する"という感覚だ。伝わるだろうか。

 リアチャンネル(後方)からの定位感は、その聴感特性に個人差があるとのことだが、筆者の場合、両肩の延長線上の左右から聞こえる感覚が得られた。前にしか実体スピーカーがない、いわゆる仮想的なサラウンドシステムとしては、十分なサラウンド感だと言える。

 今回はここまで。

 次回は、映画ソフトを見ての聴感インプレッションをお届けしようと思う。

(トライゼット西川善司)

西川善司

大画面映像機器評論家兼テクニカルジャーナリスト。大画面マニアで映画マニア。本誌ではInternational CES他をレポート。僚誌「GAME Watch」でもPCゲーム、3Dグラフィックス、海外イベントを中心にレポートしている。映画DVDのタイトル所持数は1,000を超え、現在はBDのコレクションが増加中。ブログはこちら。近著には映像機器の仕組みや原理を解説した「図解 次世代ディスプレイがわかる」(技術評論社:ISBN:978-4774136769)や、3Dグラフィックスの仕組みを解説した「3Dゲームファンのためのグラフィックス講座」(インプレスジャパン:ISBN:978-4-8443-2951-0)、「ゲーム制作者になるためのグラフィックス技術」(インプレスジャパン:ISBN:978-4-8443-2755-4)がある。

西田宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、週刊朝日、AERA、週刊東洋経済、PCfan、DIME、日経トレンディなどに寄稿する他、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。近著に、「iPad VS. キンドル日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏」(エンターブレイン)、「iPhone仕事術!ビジネスで役立つ74の方法」(朝日新聞出版)、「クラウドの象徴 セールスフォース」(インプレスジャパン)、「美学vs.実利『チーム久夛良木』対任天堂の総力戦15年史」(講談社)などがある。